法人成りのメリット・デメリットとは？

「法人成りしたいけどメリット・デメリットは何だろう…」
「法人成りのデメリットについて詳しく知りたい…」
このような疑問や悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか？

法人成りについて深く理解することで実際の一歩も踏み出しやすくなりますので、今回は『法人成りのメリット・デメリット』をテーマにお届けします。

法人成りのメリット

法人成りのメリットにはどのようなものがあるのでしょうか？早速、法人成りのメリットについて見ていきましょう。

給与所得控除が認められる

まず初めに、給与所得控除が認められるというのが、法人成りのメリットとして挙げられます。

給与所得控除とは、所得税計算の基盤となる給与所得額を確定させるために、1年間の給与などの収入額に応じて差し引かれる控除のことです。

これは、給与所得には必要経費などの控除がないため、収入額に応じて差し引かれているということになります。

法人成りして売上を役員報酬として受け取ることで、売上が給与として扱われるため、給与所得控除が適用されます。

これにより、控除額の分だけ全体の所得を減らすことができるため、節税に繋がるという効果があります。たとえば事業所得が1000万円の場合、この1000万円を役員報酬として受け取ることで、195万円の給与所得控除を受けることができます。

そのため、事業所得の1000万円ではなく、給与所得控除を受けた805万円に対して所得税が課税されることとなるため、節税に繋がるということです。（※2021年12月時点の情報です）

社会的信用を得られる

一般的に、個人事業主よりも、法人成りしている方が社会的信用度が高いとされています。社会的信用度が高くなることで、家や車などの大きな買い物をする際にも、銀行などでローンが組みやすくなります。（※金融機関によって審査基準は異なります）

クレジットカードの審査も通りやすいと言われています。また、取引先を法人に限定している企業もあるため、法人成りすることで、取引先が増え、仕事の幅も広がります。

また、金融機関からの融資を受けやすくなるため、資金調達がしやすいということもメリットの1つです。さらに、人材採用の面でも法人成りした方が人を集めやすく、より優秀な人材を効率よく雇用できる可能性が高まります。

法人成りのデメリット

法人成りのデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか？早速、法人成りのデメリットについて見ていきましょう。

事務負担の増加

法人成りすると、個人事業主の頃にはやる必要のなかった、諸手続きが多くなってしまいます。

例えば個人事業主では作る必要がありませんが、法人成りした場合は法人税申告書というものを作る必要があります。法人税申告書とは、簡単に言うと「一年の利益に対して企業が支払う法人税を計算するための書類」です。

法人成りすると法人税の他にも、消費税、地方法人税、法人事業税、法人住民税なども納税申告しなければなりません。法人税申告書は専門性が高く、1人で作成するのは困難です。そのため、税理士に依頼するのが良いでしょう。

赤字でも税金がかかる

個人事業主の場合は、赤字であれば住民税が発生しません。

しかし、法人成りすると法人住民税の均等割が適用され、年間の利益が赤字であったとしても、年間最低7万円を支払う必要があります。なお、この金額は、地方自治体によって異なります。

赤字ばかり計上している個人事業主は、法人成りするのは控えた方が良いかもしれません。

社会保険に加入しなければならない

法人成りした場合は、たとえ社長1人であっても、役員報酬を支給する際に社会保険への加入が義務付けられています。

社会保険料は健康保険料と厚生年金保険料を指します。従業員を雇用することになれば、さらに社会保険料が増すこととなるため、注意が必要です。

費用が約20万円かかる

法人成りするには、公証人の手数料5万円と、登録免許税の15万円の費用が必ずかかります。

公証人の手数料とは、定款を認証してもらうために支払う手数料のことを指します。定款とは、会社の事業内容や住所といった基本的な情報から、会社の指針となるさまざまな規則を記載していくものです。

この定款の正当性を公証人に証明してもらうことで、法人成りすることができます。また、登録免許税は、会社の設立を公表するために行う登記の際に、国に支払わなければならない手数料のことを指します。

資本金の大小によって金額が変わってきますが、株式会社を設立するためには最低でも15万円が必要となります。

まとめ：法人成りのメリット・デメリットとは？

いかがでしたか？法人成りのメリットは、
・給与所得控除が認められる
・社会的信用を得られる
法人成りのデメリットは、
・事務負担の増加
・赤字でも税金がかかる
・社会保険に加入しなければならない
・費用が約20万円かかる
以上の点が挙げられます。法人成りにもさまざまなメリットとデメリットがあるため、よく検討してから法人成りすることが大切です。

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